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「僕の生きる道」とは?

2003年1月7日から3月18日まで放送されていたドラマ「僕の生きる道」。
このドラマは「僕シリーズ」の1作品目となっており、「死」がテーマになっています。
なんとなく、無意味に目的もなく生きてきた男の素晴らしい余命1年間を肯定的に描かれ、「生きていくことの本当の意味」が問いかけられた作品となっています。
この作品で草なぎ剛が主演を務めました。

 大学入試のシーズンがきた。3年G組の生徒たちはこれまで勉強と合唱を両立させて頑張ってきた。「自分の力を信じて受験にのぞんでください」。生徒たちを激励した秀雄(草なぎ剛)は病院へ向かった。「先生の予想、はずれましたね」「えっ?」。金田医師(小日向文世)からは当初、余命1年の宣告を受けていたが、すでに1年以上がすぎていた。しかし病状は確実に進行していた。痛みは薬でなんとか抑えていたが、食欲はほとんどない。金田からは入院を勧められたが、秀雄はできるだけ普通の生活を続ける道を選んだ。
 合唱コンクールまで1カ月。秀雄は新しい指揮棒を買った。「大丈夫。絶対、出られるから」。秀雄の不安を察したみどり(矢田亜希子)は励ました。2人の暮らしに変化はなかった。1日1日を大切に生きていた。しかし小さな変化があった。それはみどりが秀雄のことを中村先生ではなく、秀雄さんと呼ぶようになったことだ。
 合格発表が始まった。職員室には次々と吉報が届いた。「中村先生のクラス、すごいのよ」。麗子(森下愛子)が舌を巻いた。りな(浅見れいな)も雅人(市原隼人)も萌(鈴木葉月)も愛華(岩崎杏里)も守(藤間宇宙)も栞(上野なつひ)も全員、見事合格した。残るは均(内 博貴)だけ。しかし均は不合格だった。すべり止めを受験していないから来年再挑戦するしかない。「また無理かもしれません」。実力がありながら均は本番だと緊張して発揮できないのだ。「いつもの力を出せば合格できます」。明後日は合唱コンクールの本番だ。「緊張せずに練習どおり歌えるよう、挑戦してみましょう」「はい」ようやく均が笑顔をのぞかせた。
 合唱コンクール当日がきた。控室で3年G組の生徒たちは緊張していた。とりわけ均はウロウロして落ちつかない。来週の決勝に進めるのは5校だけ。「僕たちの出番です。しっかり歌いましょう」。客席には秋本理事長(大杉漣)をはじめ、同僚教師たちが応援に駆けつけてくれた。秀雄は静かに指揮棒を振りはじめた。みどりがピアノで『この道』の前奏を弾きだした。
 生徒たちは熱唱した。均だけは緊張のあまり、途中で一瞬口の動きが止まったが、無事に歌い終わった。大きな拍手が起きた。秀雄は客席に向き直ると頭を下げた。
 その瞬間、秀雄は床に崩れ落ちた。
 「秀雄さん!」。みどりが駆け寄った。生徒も教師も集まった。しかし秀雄は全く動かなかった──。

 私立進学校陽輪学園の2年G組。白衣姿で授業をしているのはこのクラスの担任で生物教師の中村秀雄(草なぎ剛)。きちんとした授業ぶりだが、熱血タイプの教師ではなく、あくまでも仕事と割り切って淡々とこなしている。生徒たちはといえば、生物は受験には関係ないので、隠す素振りもなく数学や英語の勉強をしている。秀雄の授業を真面目に聞いているのは杉田めぐみ(綾瀬はるか)ぐらい。クラスの空気を察した秀雄は自分に言い聞かせるように言った。「自習にします。模試も近いことですしね」。秀雄は教室を出るなり、同僚教師の秋本みどり(矢田亜希子)から声をかけられた。「田中クンが万引きしたそうです」。みどりは陽輪学園の理事長、秋本隆行(大杉 漣)の一人娘で2年G組の副担任。「生徒の指導、ちゃんと頼むよ」。秀雄が田中守(藤間宇宙)を連れて職員室に戻ると、やはり教頭の古田進助(浅野和之)から嫌味を言われた。理事長べったりのこの教頭、なにかにつけ秀雄につらくあたることでストレスを発散させている。周囲もそのことをよく知っているから、英語教師の太田麗子(森下愛子)も体育教師の赤井貞夫(菊池均也)も見て見ぬふりだ。
 「君は自分の将来を台無しにするつもりですか」「将来って何ですか」。秀雄が守を指導しきれないでいると、数学教師の久保勝(谷原章介)が「いい大学に入って、いい会社に入っていて損はないんだから」とくだけた口調でいとも簡単に守を説得した。担任の秀雄のプライドは丸つぶれ。もっとも久保は理事長からも生徒からも信頼厚いエリート教師。秀雄では勝負にならない。社会科担当の岡田力(鳥羽 潤)が昼食の弁当を配っていると秋本理事長が現れた。「先生方、受験シーズンに入りますが今年もよろしく」。足早に出ていこうとする理事長の後を教頭が平身低頭で追いかけていく。
 その日の帰り道、秀雄はみどりと相合傘になった。といってもたまたま帰りが一緒になって、秀雄しか傘を持っていなかったからだ。秀雄は内心ドキドキしていたが、みどりは昼間の弁当の不満で頭がいっぱい。「じゃあ、食べにいきません?」。秀雄が行きつけの焼き鳥屋に誘ってみると「おいしい!」とみどりは喜んでくれた。意を決した秀雄はビールを一気に飲み、思いきって映画に誘ってみた。しかしみどりの反応をうかがいながら「なんかデートみたいですかねぇ。やっぱりやめましょう」と、冗談めかして自分からあっさり諦らめた。
 秀雄は1人暮らしのアパートに帰った。「よかった、足りて」財布の中身を確認した後、コートのポケットから昼間に職員室で受け取った健康診断の封筒が出てきた。
 再検査の通知。「どうせ、なんともないのに」と封筒を置いてうがいをする秀雄。
 後日、面倒くさいが敬明会病院で再検査を受け、検査結果を聞くために再び病院を訪れた。主治医の金田勉三(小日向文世)から「中村さんは奥さん、いらっしゃいますか?」と切り出されて秀雄は面食らった。秀雄は28歳、独身だ。「検査結果について大切な話があります」。金田医師のただならぬ表情に秀雄は緊張した。
 診察室を出た後、秀雄はアパートまでどうやって帰ったか覚えていなかった。心、ここにあらずの秀雄だが、条件反射のようにいつも通りうがいをしようとしていると、新聞の集金人がやって来た。「できたら今度は長期の契約で。2年契約でお願いできますか?」「はい」。集金人が帰った後、秀雄は契約した控えの紙を見ながら呟いた。
 「あ・・・、一年にしといた方がよかったかな」。
 秀雄はさっき金田医師から宣告されたのだ。あなたの余命はあと1年だと・・・。

 中村秀雄(草なぎ剛)は秋本みどり(矢田亜希子)と2人きりになってしまった。途端に気まずい空気。「あのことは忘れてください」。秀雄は先日、強引にキスしたことを詫びた。「どうしてあんなことしたんですか?」秀雄がためらっていると、教頭の古田進助(浅野和之)が姿を現し、みどりは職員室を出ていった。
 秀雄は放課後、進路相談で教え子の赤坂栞(上野なつひ)と向き合っていた。栞の偏差値では第一志望校は難しかった。本人もそのことは認識していたので、自ら久保勝(谷原章介)に数学の補習授業に出席させてほしいと志願していた。「志望校のレベルを落とすなんて、自分が許せません」。必死な栞に向かってずっと話を聞いていた秀雄は言った。「バカじゃないの。たかが大学受験ですよ。あと1年じゃ無理です」。栞は絶句した。
 「母親からクレームがきたんですよ」。栞の一件はすぐに古田の耳に届いた。けれど秀雄は謝るどころか「生徒の事を思って怒っているのではなく僕の上司として責任取るのが嫌なだけですよね」と言い切り、本心を見透かされた古田は反論できなかった。
 その夜、秀雄は同僚たちに誘われて居酒屋にくりだした。「中村先生、言うときは言うのね」。英語の太田麗子(森下愛子)も体育の赤井貞夫(菊池均也)も社会科の岡田力(鳥羽 潤)も秀雄の変身ぶりをもちあげた。
 心地よく酔っぱらって部屋に帰った秀雄はそのまま布団にもぐり込み、夢を見た。
 子供の頃よく行った教会。誰かの葬儀だ。棺の中をのぞくと自分が横たわっていた。
 秀雄はハッと目覚め、時計の刻む音に恐怖を覚えた。
 翌日、秀雄は授業中に腹部に痛みを感じた。「あとは自習にします」。杉田めぐみ(綾瀬はるか)以外の生徒は何も気づかない。「具合が悪いのは昨日飲みすぎたせいですよね。楽しく飲むのはいいけど授業に差し支えるのはどうかと思います」。みどりの言葉に秀雄は傷ついたが、本当のことを話すわけにいかなかった。
 秀雄はATMで百万円をおろすと、高級中華料理店で豪勢なディナーを1人きりで堪能した。ふと奥をのぞくと、秋本理事長(大杉漣)がテーブルを囲んでいる。久保は周りの教師からもみどりの結婚相手、そして将来の理事長候補と目されている男だ。つまりお見合いみたいなものか。「あっちのテーブルの会計も一緒に払います」。秀雄はお釣りも受け取らず店を出た。
 秀雄の豪遊ぶりは毎夜続いた。タクシーを借りきって深夜のドライブや銀座のクラブ。「楽しい?」とホステスに聞かれ「楽しい」と答えた秀雄だったが、心の底から気持ちが晴れるはずがなかった。
 秀雄が本心をぶつけられる相手は主治医の金田勉三(小日向文世)しかいなかった。「何の痛みも感じないまま、ラクにしてください」。秀雄は訴えたが、金田は冷静だった。「このまま少し入院しましょうか」。しかし看護婦の目を離した隙に秀雄は病院を抜けだした。
 行くあてなどない。もうお金はいらない。財布に残っていた全てのお金を街頭募金の箱に入れ、ふと目についた教会に入ると、聖歌隊が合唱の練習をしていた。一緒に歌っているうちに秀雄はいつしか穏やかな笑みを浮かべ、気づいたら崖に立っていた。迷いも心残りもなかった。秀雄は両手を大きく広げてジャンプした──。

 秀雄(草なぎ剛)はビデオ日記を始めた。「僕は残りの人生を精一杯生きたい後悔しないよう生きたい」。それだけ言うのがやっとだったが、秀雄の決意は固かった。
 翌朝、秀雄は誰よりも早く職員室で授業の準備をして、朝のミーティングでは思いきって些細な事でも発言した。古田教頭(浅野和之)は初めて秀雄が発言した事に驚いたが、みどり(矢田亜希子)はそんな秀雄を黙って見ていた。ミーティングでは、体育教師の赤井(菊池均也)が結婚することを発表した。麗子(森下愛子)、久保(谷原章介)、岡田(鳥羽 潤)たちに囲まれて赤井はうれしそうに告白した。
 「僕に結婚はないんですね」。秀雄は担当医の金田(小日向文世)に確認するように聞いた。今すぐ結婚しても1年後には相手は未亡人になってしまう。「恋なんかしてる場合じゃないし。教師としてしっかりやろうと思ってます」。未来がなくとも今がある。秀雄は第二の人生を歩きだす決意をした。
 「授業中だけでも生物の勉強しませんか?」。秀雄は教壇に立ち生徒たちに語りかけた。
 そして派手なメイクをした鈴木りな(浅見れいな)には「放課後に職員室まで来てください」と指導した。これまでの秀雄なら見て見ぬふりをしていたから、生徒たちは少し驚いたが、りなは廊下で待っていた秀雄を振りきり、帰ってしまった。
 進路相談では医学部を目指していた田岡雅人(市原隼人)が突然志望校を変えると言いだした。「僕は医学部を勧めたいのですが」と指導するが、雅人も秀雄の言葉に耳を傾けようとはしなかった。どうすれば生徒たちは話を聞いてくれるのか。
 秀雄が誰もいない夜の教室でスピーチの練習をしていると、秋本理事長(大杉 漣)が顔をのぞかせた。「遅くまでご苦労さま」。どこか温かさの感じられる一言だった。
 帰宅した秀雄はビデオに向かった。「生徒とは全然うまくいかなかったけど、仕事を頑張った充実感がある。明日もこの調子でやっていこう」。第二の人生の初日が終わった。
 りなの様子がおかしい。「何かあったのなら話してくれませんか。僕にできることがあるかもしれません」「ないよ」。りなの反応はそっけない。理由がわからずに秀雄が悩んでいると、麗子が自信ありげに耳打ちしてくれた。「彼女の悩みは恋よ」。
 どうやら赤井の結婚にショックを受けたらしい。じっと何かを考えていた秀雄は職員室から駆け出していった。  りなを見つけた。「原因は赤井先生ですか」「違うよ」。否定したが、その表情がそうだと語っていた。「どうにもならないことってあるんです。前向きになってください」。
 しかしりなの態度は変わらない。秀雄が職員室に戻るとみどりがいた。「何かあったんですか。今までの先生なら、こんなふうに生徒を追いかけたりしなかったのに」。みどりは秀雄の変化に気づいていた。「変ですか?」。秀雄は冗談ぽくごまかした。
 りなが学校を休んだ。「一緒に行きます」「僕1人で行かせてください。必ずなんとかしますから」。みどりが同行してくれると言ったが、秀雄は1人でりなの家を訪ねた。ところがりなは秀雄の顔を見るなり家にこもってしまった。「出てきてください!」。秀雄がどんなに呼びかけても、結局りなは出てこなかった。
 落胆して帰宅した秀雄はビデオに向かった。「笑っちゃう1日だった」。無理に明るい口調で今日の出来事を振り返った。
 赤井の結婚パーティーがレストランで行われた。赤井と新婦は幸せそうだったが、秀雄が見とれたのはドレスアップしたみどりの美しさだった。「じゃあ、こちらの先生か」。
 秀雄が一番手でお祝いのスピーチを頼まれた。秀雄はちょっと焦ったが、やがて一言ずつ選ぶように話しはじめた。「おじいちゃんとおばあちゃんになっても今と同じように名前で呼び合う、仲のいい夫婦でいてくれたらなあって思います」。
 みどりはドキリとした。彼女の理想の夫婦象だったからだ。さらに秀雄は遠くを見つめるように続けた。「そしていつか・・・、先に旅立つ日が来ても、後悔しないように、たくさんの愛で・・・、お互いを思い合ってください」。会場は一瞬静まり返った。
 その直後に大きな拍手が起きた。赤井と美子がうれしそうに秀雄に会釈した。秀雄も微笑んで頭を下げた──。

 生徒同士の妊娠騒動がもちあがった。田岡雅人(市原隼人)と近藤萌(鈴木葉月)。どちらも2年G組、秀雄(草なぎ剛)の生徒だ。職員室では古田教頭(浅野和之)が早速教師たちを集め、副担任のみどり(矢田亜希子)が萌に事情を聞くことになった。
 その日の夕方、秀雄は金田医師(小日向文世)の診察を受けた。余命1年と宣告されてすでに1カ月が過ぎたが、秀雄は誰にも打ち明けていなかった。「病気を理解してくれる人がそばにいるといいんだけどね」。しかし秀雄は1人で残りの人生を歩むつもりでいた。
 「親には絶対言わないで!」。萌はみどりの説得に耳を貸そうとしなかった。一方、雅人も久保(谷原章介)と秀雄にくってかかった。「僕の将来のことを考えて下さい」。雅人からは萌を気遣う言葉は一切なかった。「お金なら出しますよ」。じっとこらえていた秀雄がついに怒りを爆発させた。「人の命をなんだと思ってるんだ!」。秀雄が雅人の胸ぐらをつかんだ瞬間、みどりが萌を連れて現れた。「妊娠はしてません」。みどりは雅人の気持ちを試したくて嘘をついたのだ。秀雄は脱力したように雅人から手を離した。
 秀雄は生徒への性教育の必要性を痛切に感じ、翌日早速、十代の妊娠と性感染症に関するデータをまとめて古田に提案した。「それは無理だね。親の責任でやってもらうしかないよ」。父兄にとって一番触れてほしくない話題なのだ。他の教師たちも秀雄の正しさを認めながらも、古田と同意見だった。それでも秀雄を諦めず再び古田に申し出た。「性教育より受験まであと一年。時間がないんだから」「時間がないから言ってるんです!」思わず秀雄は声を荒げてしまった。
 「どうしたの?そんなに熱くなっちゃって」。麗子(森下愛子)が冗談めかして秀雄にたずねた。秀雄の変化は誰の目にも明らかだった。
 秀雄は進路相談で再び雅人と向かい合った。「やっぱり医学部を目指したいんです」。雅人は医者という職業を金儲けの手段としか考えていなかった。「君に医者になる資格なんかありません」。憤然とした雅人は教室を飛び出した。「最後まで聞いて下さい」。秀雄が雅人の肩をつかんだ瞬間、雅人は足をすべらせて階段から転がり落ちてしまった。
 雅人のケガは大事にいたらなかったが、それだけでは収まらなかった。「生徒を突き落とすだなんて!」。雅人は母親の久美子(銀粉蝶)に嘘をついていた。久美子はPTA会長。古田の対応は素早く、秀雄は自宅謹慎を命じられた。その日の夜、秀雄が職員室に一人残り、雅人宛てに手紙を書いていると、忘れ物を取りにみどりが職員室に戻ってきた。「先生は何をそんなに焦っているんですか?まるで時間に追われているみたいです」みどりはずっと気にかかっていたことを聞いてみた。「僕はやるべきことを先延ばしにするのはやめようと思いました。今日やりたいことは今日中にやっておきたいんです。」そう言って秀雄は帰って行った。
 「ちょっと問題を起こしてしまいまして・・・」謹慎中の秀雄は金田に事情を打ち明けた。「信念を貫いていればいつかきっと君に味方してくれる人が現れるよ」。金田は微笑みながら助言した。
 古田が久美子への謝罪の場をもうけてくれた。「怪我させたこと、医者失格という暴言を吐いたこと。この2点をしっかり謝罪するように」「はい」。秀雄は神妙にうなずいた。「本当に申し訳ございませんでした」。秀雄は怪我をさせたことを久美子に詫びると、医者失格と発言したことを誤るどころか妊娠騒動の事を話し始めた-。

 秀雄(草なぎ剛)と雅人(市原隼人)のトラブルで秋本理事長(大杉漣)が雅人の母親でPTA会長の久美子(銀粉蝶)と話し合うことになった。処分が決まるまで2年G組の担任はみどり(矢田亜希子)が引き受けることになったが、その途端、生徒たちのさまざまな問題が持ちあがった。
 職員室に2年G組の黒木愛華(岩崎杏里)の連絡先を教えてほしいという電話が殺到した。「これじゃないかと」。岡田(鳥羽 潤)が手にしていたアイドル雑誌を広げると、そこには愛華の写真が学校名と共に掲載されていた。
 また、めぐみ(綾瀬はるか)は未だに志望校を決めていなかった。秀雄はみどりからめぐみのことで相談をもちかけられた。めぐみだけはいつも秀雄の生物の授業を熱心に聞いてくれている。「大学受験する気がないのかも」。もしかしたら他にやりたいことがあるのではないか。秀雄はそんな気がしていた。
 秀雄の直感は当たっていた。しかしめぐみは、みどりにはどんな夢か教えなかった。みどりにもかつてピアニストという夢があった。「中村先生は?」「笑うだろうな。テノール歌手です」。みどりは秀雄を音楽室に引っ張っていった。「私のピアノじゃ、歌えないって言うんですか」「まいったなあ」。戸惑いながらも秀雄はみどりのピアノに合わせて歌い始めた。2人の間に穏やかな時間が流れた。その様子を久保(谷原章介)が見ていたことなど知るはずなかった。
 その頃、理事長室では秋本が古田教頭(浅野和之)を同席させて、雅人と久美子に向かい合っていた。「胸が痛むものですよ。嘘をついていると」。秋本の視線に雅人は耐えられなかった。「すみません。僕は中村先生に突き落とされたりなんかしてません」。それでも我が子かわいさのあまり食ってかかろうとした久美子に対して、秋本は秀雄の手紙を手渡した。それは以前、秀雄が捨てた手紙をみどりがゴミ箱から拾って秋本に渡したものだった。「これを読めば、なぜ雅人君に医者失格と言ったのかが分かると思います」。命の尊さを訴えた文面は雅人の心に深くしみいった。
 「明日から元通り、生徒の指導にあたって下さい」。秀雄は秋本の言葉が信じられなかった。そしてみどりがあの手紙を渡してくれたことが嬉しかった。
 「僕に味方ができたみたいです」。早速、金田医師(小日向文世)に伝えた。「その人に病気のことを打ち明けたら?」「その人だけには絶対同情されたくないんです」。秀雄は知らなかったが、みどりは友達の見舞いでこの病院をしばしば訪れていた。だから金田はみどりこそが秀雄の特別な人だと勘づいていた。
 みどりが強張った表情でやって来た。「黒木さんが学校を辞めたいって言ってます」。
 愛華は雑誌に掲載されたのがきっかけでスカウトされ、タレントになりたいと言う。「授業を始める前に進路について、少しだけ話させて下さい」。秀雄は実現の可能性の低い夢にかける無謀さを説いた。「後悔するのは君たち自身なんです」。放課後、愛華はいともあっさり退学の意思をひるがえした。
 秀雄とみどりが拍子抜けしたように顔を見合わせていると、めぐみが怒りを秘めた表情で立っていた。「私は自分の夢をあきらめないから」。めぐみは子供の頃から歌手に憧れていた。めぐみの熱い口調に秀雄は微笑んだ。「それだけの気持ちがあれば、あなたは夢を追うべきです」。愛華は思いつきだったが、めぐみの情熱は本物だった。「必ず歌手になって下さい。僕のためにも」。2人のやりとりを見ていたみどりは思った。めぐみが秀雄の授業を熱心に聞いていたのは、秀雄に何かを感じていたのだと。

 秀雄(草なぎ剛)が給湯室に置き忘れた薬を取りに戻ると、麗子(森下愛子)が職員室に一人残っていた。麗子は動揺を隠した。何気なく見た薬から秀雄の病気が何か知ってしまったのだ。一方、秀雄と別れて帰宅したみどり(矢田亜希子)は、久保(谷原章介)に交際を断ったことを父親の秋本(大杉漣)に伝えた。「みどりがこの人だと信じた人を信じるから」。秋本は微笑んでうなずいた。
 みどりが信じた相手は秀雄だった。2人は休日のたびにデートした。秀雄の授業にもリズムが出てきた。秀雄は麗子に相談した。「僕、みどり先生の彼氏でいいんですよね」。てっきり病気のことだと身構えていた麗子は、ホッと胸をなでおろした。
 「私、口固いから、どんなことでも相談してよ」。
 「彼女ができました」「秋本さん?」。金田医師(小日向文世)から図星されて秀雄は驚いた。「彼女に病気のこと言ったの?」「まだです」。今夜みどりが部屋に手料理を持ってきてくれる。「早く帰らないと」。秀雄はそそくさと診察室を後にした。
 「幸せそうでしたね」。看護婦の琴絵(眞野裕子)は微笑んで見送った。「そうだね・・・」。金田医師は真顔になっていた。
 「買ってきちゃった」。みどりがペアの汁椀をテーブルに並べると、秀雄はつい笑ってしまった。彼女が出来たらお椀でなはく、ペアのマグカップを夢見ていたのだ。
 「どうぞ」「いただきます」。恋人同士の幸せなひととき。秀雄はみどりの笑顔を見ながら心の中で祈った。『神様、お願いです。一分でいいから時間を止めて下さい』と。
 やがて秀雄が目覚めた時、隣には幸せそうなみどりの寝顔があった。秀雄の部屋に泊まったみどりは朝帰り。「いつ帰ったの?」「十五分くらい前かな」。平静を装うとする父親の姿がみどりにはかわいく見えた。その頃、秀雄はビデオカメラに向かっていた。「神様、黙っている僕はズルいですか?」。みどりにどう打ち明ければいいのか。まだ決心がつかない。
 秀雄は麗子に屋上に呼び出された。「私の目はごまかせないの」。秀雄と同じ薬を麗子の亡くなった伯母が飲んでいた。彼女に嘘は通じない。「余命十カ月ぐらいです」。秀雄がすべてを話すと、麗子は秘密を守ることを約束してくれた。そしてこう付け加えた。「私がみどり先生なら病気のこと話してほしいと思う」。
 その夜もみどりは秀雄の部屋に来た。「みどり先生、大切な話があります」。秀雄が切り出せないでいると、みどりが先に口を開いた。「私も同じ気持ちです。私と結婚して下さい」。みどりは自分からプロポーズするのが夢だった。「まずは父と食事をしましょうね」「はい」。秀雄は呆然としながらうなずいてしまった。
 「先生の家に泊めていただけませんか?」。突然、赤坂栞(上野なつひ)が思いつめた表情で職員室に現れた。しかも額に怪我をしている。みどりが自宅に連れ帰ったが、栞はあまりの豪邸ぶりに落ちつかず「中村先生のところに行きます。」と帰ろうとした。しかし、男性教師の家に女子生徒を泊めるわけにはいかない。みどりは事情を聞こうとするが「みどり先生には話したくありません」という栞の突き放したような口調にみどりはショックを受けた。
 翌日の放課後、栞は秀雄には打ち明けた。「父の会社、うまくいってないんです。私、大学行けないかも」。額の傷は両親のケンカを止めようとしてぶつけた。「世の中、不公平ですよ」。栞は行き場のないうっ憤をみどりに向けた。「美人でしかも豪邸に住んで・・・。あんな人に私の気持ちなんて分かるわけありません」「そんなふうに決めつけなくても」。秀雄が栞をなだめていると、廊下にみどりが立っていた。2人のやりとりを聞いていたらしい。
 秀雄の部屋で一緒に夕食を食べるのはすっかり日課になったが、その夜のみどりは元気がなかった。「本当に私、今まで深く悩んだことってないんです」。いや、一度だけあった。母親を亡くした時だ。「もう二度と大切な人は失いたくありません」。
その言葉は秀雄に重くのしかかった。「ちょっとコンビニに行ってきます」。一人になったみどりはふと部屋の片隅に置かれたビデオカメラに気づいた。部屋の何を撮っているのだろうか。みどりはビデオカメラに手を伸ばした──。

 秀雄(草なぎ剛)が病気を打ち明けた翌日、みどり(矢田亜希子)は学校を休んだ。「みどり先生に打ち明けましたから」。秀雄は麗子(森下愛子)にそっと耳打ちした。その頃、みどりは金田医師(小日向文世)の診察室にいた。「彼の話し相手になって下さい」。今、みどりにできることはそれしかなかった。
 みどりが秀雄の帰宅を待っていた。「もっと早く事実を話すべきでした。本当にすみませんでした」。秀雄は詫びると同時に別れ話を切り出した。「僕は長く生きられないんですから」「私はずっと中村先生のそばにいたいんです」。病状が進行すれば自制がきかなくなるだろう。みどりがそばにいれば犠牲を強いることになる。「みどり先生に無理をさせることは僕が辛くなるんです」。秀雄の願いは一つだけ。みどりが幸せになってくれることだけだった。
 秀雄は進路相談で教え子の吉田均(内 博貴)と向かい合った。いつもトップなのに今回の模試では悪かった。本人は体調不良を理由に「志望校は変えません」と強がったが、秀雄の目には動揺が明らかだった。秀雄が職員室に戻ると、ささいな言葉じりをとらえて久保(谷原章介)がくってかかった。「ホントは俺のこと、バカにしてたりして」。みどりを秀雄に奪われたうっ憤がふだんの冷静さを失わせたのだ。「どうかした?」。とっさに麗子が割って入ると、久保をいつものバーに連れ出した。「中村先生とみどり先生をそっとしておいて」。麗子から秀雄の病気を教えられた久保は絶句した。
 秀雄は週末の休みを利用して帰省した。もうこれ以上、母親の佳代子(山本道子)に黙っているわけにいかない。実家へ向かう道すがら、少年時代によく通っていた教会に入るとみどりが座っていた。「私、田舎って好きなんです」。戸惑う秀雄におかまいなく、みどりは初めて見る秀雄の故郷の自然を満喫した。通りすがりの人に記念写真まで撮ってもらった。「今日は今日だけのために過ごしたいんです。中村先生と」。しかし秀雄の表情は固かった。「本当にこれで終わりにして下さい」。秀雄は心穏やかにこれからの日々を迎えたかった。押し黙った2人の背後から声がかかった。「秀雄!」。佳代子だった。秀雄はみどりを紹介した。「いつもお世話になっております。そういうことなら、どうして言ってくれないのよ」。佳代子はみどりのことを息子の婚約者だと理解した。「ゆっくりしてって下さいね」。
 みどりは秀雄の実家に泊まることになった。「みどりさんはどっちで寝るものなの?」「じゃあ、お母さんと中村先生が一緒に寝て下さい」。みどりの優しい心遣いが佳代子にはうれしかった。佳代子は亡夫から贈られたネックレスをみどりの首にかけた。「思ったより早く、これを渡せる人に会えてうれしいわ」。
 深夜、寝つかれない秀雄が居間でぼんやりしていると佳代子も起き出して来た。「いい娘さんだね」「母さん、話したいことがあるんだ」。けれど秀雄は病気を打ち明けられず、父親の思い出を聞くことになった。秀雄の覚えている父親はいつも威張っていた。「ホントはすごく気が小さいの」「母さんに甘えてたんだよ」。母と息子の幸せそうな会話を、みどりは布団の中で聞いていた。翌朝、秀雄とみどりは佳代子に見送られた。「秀雄をよろしくお願いします」「はい。」みどりは微笑んで返事すると、佳代子が見ているのを意識してさりげなく秀雄と手をつないだ。
 秀雄が佳代子に言えなかったように、みどりも父親の秋本(大杉漣)に打ち明けられない。心ここにあらずの娘の様子を、秋本は早すぎるマリッジブルーだと勘違いした。その夜、秀雄もみどりもそれぞれの部屋で考えた。これからどうするのが一番いいのかと。そして2人とも同じ結論に達した──。

 秀雄(草なぎ剛)はみどり(矢田亜希子)と結婚することを金田医師(小日向文世)に報告した。「明日、結婚の挨拶に行きます」。その頃みどりは父親の秋本(大杉 漣)に秀雄の病気のことを打ち明けていた。「手術も無理で、もう治らないの」。娘の結婚を心から喜んでいた秋本の表情が曇った。「どうして死ぬとわかっている男と結婚するんだ」父と娘の考え方はどこまでも平行線のままだった。
 翌日の食事会は重苦しい空気に包まれた。「みどり先生と結婚させて下さい」。秀雄に頭を下げられた秋本は穏やかな口調ながら、きっぱりと言った。「申し訳ないけど、結婚には賛成できないんだ」。秀雄も娘の幸せを祈る秋本の気持ちが痛いほど理解できた。「お父さん、すぐに中村先生と暮らしたいの」。家を出て行くみどりを、秋本は止めなかった。
 みどりは秀雄の部屋で一緒に暮らしはじめた。みどりは秀雄と付き合っていることを職員室で公言した。「ええっ!」。大声を出したのは岡田(鳥羽潤)だけ。他の同僚たちはそれとなく察していた。
 秀雄は3年G組に向かった。3年生になって最初の生物の授業だ。最前列の吉田均(内 博貴)が突然「落ちつかないんです」と席替えを要望した。均は勝手に机を動かし始め、田中守(藤間宇宙)ともみ合いになった。「受験のストレスじゃない?」。秀雄が麗子(森下愛子)に話すと彼女も同意見だった。均は前回の模試で成績がかなり落ちていたのだ。「頑張りすぎて出口が見えないんでしょう」。秀雄も小学生の時に似た経験を味わったが、教会の聖歌隊に参加することで救われた。みどりがにっこり笑った。「次にやること、決まりましたね」。
 秀雄はホームルームで生徒たちに合唱を提案した。「今日から放課後に体育館で歌を歌いませんか?」。しかし生徒の大半は無関心。結局やって来たのは歌手を夢見る杉田めぐみ(綾瀬はるか)だけ。「そろそろ始めましょうか」。指揮は秀雄、ピアノはみどり。譜面を手にしためぐみはキラキラした表情で歌いだした。
 「先に帰ってくれませんか」。秀雄はみどりに内緒で秋本を訪ねた。「理事長には、おめでとうを言ってもらいたいんです」「みどりが結婚すると言ってきかないのは、分かる。でも君はどうして?みどりの将来を考えたら、こうはならないんじゃないの?」。秋本の口から最後まで結婚を認める言葉は出なかった。
 「おめでとうございます」。翌朝2人は同僚教師たちに結婚を発表した。結婚式はみどりの提案で秀雄が子供の頃に通っていた教会であげることにした。「じゃあ将来は中村先生が理事長ですか?」「当たり前じゃん」。秀雄の病気を知らない岡田と赤井(菊池均也)は真顔で言った。そっとその場をはずした麗子を久保(谷原章介)が追った。麗子は屋上で泣いていた。「結婚だなんて、あまりにもステキで」。麗子は久保の胸に顔をうずめた。
 教頭の古田(浅野和之)は秋本から秀雄の病気の事を聞きショックに固まっていた。「できる限り教師を続けられるよう、配慮してやってほしい」。秋本は苦しい胸の内を打ち明けた。「娘のこととなったらこのザマだよ。僕は彼の余命を知った途端、差別的な目で見ている。立派な教育者だなんて、ちゃんちゃらおかしいよ」。秋本は自嘲気味につぶやいた。
 みどりは秋本が風邪で寝込んでいると古田に教えられ実家に帰った。リビングには少女時代のみどりを撮影した8ミリビデオが出しっぱなしになっていた。「来てたのか」パジャマ姿の秋本が出てきた。「お前はこの悲劇的な状況に酔っているだけだ」「私は自分自身の人生を生きたいの」。みどりに背を向けた秋本はただ黙っていた。
 2人だけの結婚式が明日に迫った。秀雄は母親の佳代子(山本道子)に電話で知らせた。「しっかりね。とちらないように、母さん祈ってるから」。秀雄はみどりに代わった。「みどりさん、ありがとう。本当にありがとう」。みどりも父親に電話したが、留守番電話に切り替わった。「明日2人で結婚式をあげます」。秀雄に代わった。「今は僕達のことを信じて下さいとしか言えません」。秋本は2人の声を聞いていた――。

 「僕たち、無事結婚式を挙げることができました」。職員室で同僚教師たちに挨拶する秀雄(草なぎ剛)とみどり(矢田亜希子)の薬指には結婚指輪が光っていた。結婚式では写真は撮らなかった。「あとに残すためのものですから」。赤井(菊池均也)と岡田(鳥羽 潤)は首をかしげたが、古田教頭(浅野和之)から秀雄の病気を教えられてショックに打ちのめされた。
 「結婚しました。相手はみどり先生です」。秀雄は3年G組の生徒たちにも報告した。拍手してくれたのはめぐみ(綾瀬はるか)だけ。つられて他の生徒たちも拍手してくれたが、どの顔も驚きを隠しきれない。「似合ってるよ、中村とみどり先生」。秀雄が教室を出ていってから、生徒たちは2人の結婚を祝した。いつしか秀雄は生徒から愛される教師になっていた。放課後の合唱もにぎやかになってきた。めぐみと守(藤間宇宙)だけだったのに、りな(浅見れいな)、雅人(市原隼人)、萌(鈴木葉月)、愛華(岩崎杏里)が加わった。「続けるかどうかは分かんないよ」。そう言いつつも秀雄の指揮とみどりの演奏に合わせて、6人は楽しそうに歌いだした。
 「僕たちは死にむけて決めなきゃいけないこともありますから」。秀雄は金田医師(小日向文世)に遺影のことを相談した。「どっちでもいいんじゃないの」。金田ははぐらかせたが、秀雄は1人で写真館に向かった。しかしいざカメラの前に座ると戸惑った。「今日はやめておきます」。人生最後の写真だからステキな顔で写りたかった。
 秋本(大杉 漣)が祝儀袋をもって秀雄の部屋にやって来た。みどりの作った手巻き寿司を3人で食べた。「良かったらウチで一緒に暮らさない?」。帰り道、秋本はそう言ってくれたが、秀雄はみどりが再婚する日のことを考えていた。「たとえ短期間でも、僕はあのウチには住まない方がいいんじゃないかって」。秀雄の気持ちは秋本に伝わった。
 秀雄が合唱コンクールへの出場を生徒達に提案すると、均(内 博貴)がくってかかった。「合唱に何の意味があるんですか?」。均はひたすら受験勉強に打ち込んでいた。合唱なんか時間の無駄だと、その表情が物語っていた。秀雄は決められたレールの上の人生を例にとった。「その道には自分の足跡が残らない気がします。将来を考えて生きる事も大切だけど、その時その時もしっかり生きてほしいんです」。生徒たちはじっと秀雄の言葉に聞き入った。ただ1人、均だけは自分の勉強に戻った。
 「もう片づけようと思って」。秀雄はビデオ日記をやめることにした。「僕はもうちゃんと足跡をつけて歩いてますから」。みどりは賛成したが、秀雄がこれまで撮ったビデオも処分すると言いだして複雑な気分になった。2人一緒の写真1枚すらないのだ。
 雅人の母親でPTA会長の久美子(銀粉蝶)が父兄たちを引き連れて乗り込んできた。「今の時期、受験より大切なことなんてないはずです」。合唱のことで一部の父兄からクレームが出ていることは、秀雄の耳にも届いていた。「高校生活はそれだけじゃないはずです」。しかし久美子は強硬だった。「合唱部は廃止すべきです」。
 久美子は体育館にも姿を現した。「合唱部は解散よ。たった今、先生に話をつけてきたから」。生徒たちの間に動揺が走った。その頃、秀雄とみどりは古田教頭に合唱の継続を訴えていた。「君の気持ちはよく分かるが」。古田も辛い立場にいた。「合唱を通じて生徒に伝えたいことがあるんです!」。その時秀雄が突然倒れた。「しっかりして!」「救急車、呼ぼう」。救急隊員に運ばれていく秀雄の姿に雅人と栞(上野なつひ)が気づいた。開けっ放しの職員室のドアから、取り乱した岡田の声が聞こえた。「まだ死なないですよね!」。

 退院した秀雄(草なぎ剛)は古田教頭(浅野和之)に合唱部の存続を訴えた。「受験勉強にさしつかえなければ大丈夫ですか?」。反対している父兄を納得させなければならない。秀雄にはある考えがあった。
 「迷いや恐れはありません。残りの人生をしっかり生きるだけです」。秀雄は3年G組の生徒たちに、自らの運命と心境を正直に語った。「目標もあります。皆さんと合唱コンクールに出場することです」。そして放課後の合唱部を続けるためには、今度の模試でクラス全員がA判定の成績をとること。「無理だよ」。守(藤間宇宙)のつぶやきは、大半の生徒の本音だった。
 実は模試の一件は古田が独断で父兄たちを説得してくれていた。「合唱を続けさせたいって顔、してるね」。理事長の秋本(大杉 漣)は微笑んだ。秀雄の情熱は古田をも変えたのだ。一方、生徒たちにも変化が現れていた。秀雄の授業ではきちんと生物の教科書を開くようになった。秀雄が戸惑っていると、りな(浅見れいな)がさりげなく言った。「先生が言ったじゃん。やれるだけのことをやってみようって。受験勉強も合唱も、それから生物の授業も」。
 クラス全員が同じ気持ちだった。しかし前回の模試で成績の悪かった均(内 博貴)だけはいつものように数学の勉強を始めた。均は合唱にも参加していない。「A判定は合唱やってるヤツらがとればいいでしょ」均は秀雄に背を向けると塾に向かった。
 秀雄とみどり(矢田亜希子)は部屋に同僚教師たちを招いた。披露宴代わりのささやかなホームパーティー。赤井(菊池均也)も岡田(鳥羽 潤)も、そして久保(谷原章介)と麗子(森下愛子)も思う存分楽しんでくれた。皆から祝福されて2人は改めて結婚した喜びを実感した。
 秋本には心配なことがあった。秀雄との別れがやってきた時、みどりはどうなってしまうのか。「僕が知る限りでは愛情が深いほど、残された後再び楽しい人生を送ってますよ」。金田医師(小日向文世)の確信に満ちた言葉に秋本は救われた気がした。
 模試当日がきた。「しっかりやって下さい」。生徒たちは真剣な面持ちでテスト用紙に向かい合った。数日後、模試の結果が届いた。その結果を持って秀雄は3年G組に向かった――。

 大学入試のシーズンがきた。3年G組の生徒たちはこれまで勉強と合唱を両立させて頑張ってきた。「自分の力を信じて受験にのぞんでください」。生徒たちを激励した秀雄(草なぎ剛)は病院へ向かった。「先生の予想、はずれましたね」「えっ?」。金田医師(小日向文世)からは当初、余命1年の宣告を受けていたが、すでに1年以上がすぎていた。しかし病状は確実に進行していた。痛みは薬でなんとか抑えていたが、食欲はほとんどない。金田からは入院を勧められたが、秀雄はできるだけ普通の生活を続ける道を選んだ。
 合唱コンクールまで1カ月。秀雄は新しい指揮棒を買った。「大丈夫。絶対、出られるから」。秀雄の不安を察したみどり(矢田亜希子)は励ました。2人の暮らしに変化はなかった。1日1日を大切に生きていた。しかし小さな変化があった。それはみどりが秀雄のことを中村先生ではなく、秀雄さんと呼ぶようになったことだ。
 合格発表が始まった。職員室には次々と吉報が届いた。「中村先生のクラス、すごいのよ」。麗子(森下愛子)が舌を巻いた。りな(浅見れいな)も雅人(市原隼人)も萌(鈴木葉月)も愛華(岩崎杏里)も守(藤間宇宙)も栞(上野なつひ)も全員、見事合格した。残るは均(内 博貴)だけ。しかし均は不合格だった。すべり止めを受験していないから来年再挑戦するしかない。「また無理かもしれません」。実力がありながら均は本番だと緊張して発揮できないのだ。「いつもの力を出せば合格できます」。明後日は合唱コンクールの本番だ。「緊張せずに練習どおり歌えるよう、挑戦してみましょう」「はい」ようやく均が笑顔をのぞかせた。
 合唱コンクール当日がきた。控室で3年G組の生徒たちは緊張していた。とりわけ均はウロウロして落ちつかない。来週の決勝に進めるのは5校だけ。「僕たちの出番です。しっかり歌いましょう」。客席には秋本理事長(大杉漣)をはじめ、同僚教師たちが応援に駆けつけてくれた。秀雄は静かに指揮棒を振りはじめた。みどりがピアノで『この道』の前奏を弾きだした。
 生徒たちは熱唱した。均だけは緊張のあまり、途中で一瞬口の動きが止まったが、無事に歌い終わった。大きな拍手が起きた。秀雄は客席に向き直ると頭を下げた。
 その瞬間、秀雄は床に崩れ落ちた。
 「秀雄さん!」。みどりが駆け寄った。生徒も教師も集まった。しかし秀雄は全く動かなかった──。

中村 秀雄 – 草彅剛
中村(秋本) みどり – 矢田亜希子
秋本 隆行 – 大杉漣
金田 勉三 – 小日向文世
久保 勝 – 谷原章介
太田 麗子 – 森下愛子
岡田 力 – 鳥羽潤
赤井 貞夫 – 菊池均也
古田 進助 – 浅野和之
杉田 めぐみ – 綾瀬はるか
田岡 雅人 – 市原隼人
吉田 均 – 内博貴
鈴木 りな – 浅見れいな
赤坂 栞 – 上野なつひ
近藤 萌 – 鈴木葉月
黒木 愛華 – 岩崎杏里
田中 守 – 藤間宇宙
畑中 琴絵 – 眞野裕子
田岡 久美子 – 銀粉蝶
中村 佳代子 – 山本道子
神父 – Bill
聖歌隊 – 杉並児童合唱団

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感想

このドラマほどにこんなに強く生きる素晴らしさを感じることができた作品は今までにない。
自分が自分らしく幸せに生活できていることを何度でも感謝できる作品。
この作品を見ていると適当に生きるなと言われているような気がする。

このドラマが放送されていたのは10年以上も前だけれど、最近職場でこのドラマの話を聞いて見てみたら、もう涙が止まらなくなってしまった。
内容はありがちな展開だけれど、先生が病気で余命が短い中でどのように向き合うか、いろんなところを見せてくれた。
これから先もたくさんの人に観てもらいたい作品。

このドラマは余命宣告された彼らの日常が映し出されていて、「生きることとは」と視聴者に問われているドラマだった。
もし自分が死ぬことを意識して、死ぬまでの時間をどのように過ごすのか考えなければいけない時が来た時、自分だったら何を思って何をしたいと思うのだろうか・・・。
死んでしまうから大人しくしていよう、それはあまりにも空虚すぎるなと思った。
だから好きな人と好きな事をしながら残りの人生を生きる。
生と死、残された時間を考えさせられる素晴らしい作品。

このドラマはスキルス性胃がんで余命1年と宣告されてしまった高校教師の最後の一年間が描かれている。
現代社会で有名人が自殺するなど相次いで起きていて、この作品を通してみんなが当たり前に思っている「生きる」ということがどれだけ素晴らしいことなのかこの作品を通して考えてもらいたいと思った。

まとめ

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